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HOME > 本・書籍 > 折り返し点―1997~2008
折り返し点―1997~2008 …1,500円以上で送料無料
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
不条理な資本主義文明への憤怒、そして、子供達への限りない希望
(2008-12-28)
1997年から2008年までの文章を集めた本書出版は本意ではないと宮崎さんは仰りますが、各章間のダブリ等を差し引いても氏の思想等を深く知れる点でとても貴重な文献です。
私は本書から宮崎さんの「行き過ぎた資本主義社会への憤怒」と「子供達への限りない希望」を深く感じましたが、氏が何に影響を受けて育ったか、生きて(仕事して)きたか、またその思想等がどういったものなのか興味がある方は500ページ強の本書をぜひご一読下さい。
以下、私が印象に残った言葉
・絶望は生命の本質、残忍は生命の本性
・自分の中に人間を罰したいという気持ちがある
・子供の時代に得た何かには決定的な影響力があり、大人の1年間に匹敵するような5分間がある
・アシタカがサンに「生きろ」と言った時に「生きよう」と心に決めたという手紙を子供達からたくさんもらいました
・僕には小さい時から、生まれてきたのは間違いだったんじゃないかという疑念がありました
・子供たちを取り巻く価値観はどんどん数を減らしている。文部省だけじゃなく社会全体が「損得で計算しろ」という一つの価値観に絞り込んだからです
・空気まで取引するのは不遜ですよ。人間が生きて行く為の最も根本の所で「儲かる、儲からない」をやっていては未来はロクなことにならない。儲けだけではない、もっと大切な何かがあるはずです。そうでないと、アニメーションをつくる仕事などは成り立ちません
・(日本人は)誇りも歴史観もない、自分がアメリカという国からどういうふうに思われているかも知らない
・「魂にとって何が大切か」「魂とは何か」それが私達のいつまでも変わらない主題であり、課せられた問いだと思います
・子供たちには三歳まではテレビを見せるなと周りの人に言っている。自分で考える機会を確実に奪ってしまうから
・本当に異常なまでの早さで昭和の軍閥政治は、破局に向かって突き進んでいく。今も世界はそんなふうにたちまちの内に変わっていく可能性がある
・アニメーションの可能性って、商売とか商品化とか、そういうこととは無関係に”志”として存在していたんです
・子供が成長してどうなるかといえば、ただのつまらない大人になるだけです。だけど、子供はいつも希望です。挫折していく、希望の塊なんです
「もののけ姫」「千と千尋」まで
(2008-10-26)
まず表紙の裏から「もののけ姫」「千と千尋」「ハウル」「ポニョ」が
同じボリュームで取り上げられているような印象を与えますが、前二作が
メインです。「ハウル」の章はあまり作品とは関係がない対談が多く、
「ポニョ」に関しては編集する対談や講演ネタを集める時間がなかったようで、
軽くなっています。
「もののけ姫」はテレビ時代劇で目にすることがない登場人物ばかり現れる。
時代を室町に設定した現代ファンタジーかと思いきや、「士農工商」やら
「百姓」の設定を誤解しているのは現代の日本人で、農民も武器を携帯していたし、
水呑み百姓の範疇は広い。もっと雑多な職業、歴史の記録にかすかに現れる
ような人々がじつは結構いた。
その人物たちが、互いが生きるための抗争をする。
歴史学者の専門知識や、考古学上の推測をまじえて語られています。
ストーリーは自然の凶暴さと、文明を推し進める人間の暴力が描かれる。
つづく作品「千と千尋」
ここでは「ここで働かせてください!」のセリフがとりあげられている。
10歳の少女の自立といえばパーソナルなレベルですが、
この時代に、この場所で、完全でない自分が生きるための力(知恵)を獲得していくのは、
「生きる」テーマであり両作品に共通する。
子供はちょっとケガをして当然だし、飛行機なんかオンボロであって上等とする考え方は、
どこかヒステリックな現代に、
監督の作品が受け入れられる理由のように思えます。
子供のために
(2008-10-20)
小学生のころ、宮崎さんの「風の谷のナウシカ」をテレビで見て、心に強く感じるものがありました。何かわからないけれど、大事なことを教えてくれていると思いました。
アニメは当時好きでよく観ていましたが、宮崎さんの作品はいままで観た作品のどれとも質が違ったものでした。
それまで環境問題などのテーマに触れると、テレビやジャーナリストは人間が悪だ、と人を裁くことを押しつけてきましたが、宮崎さんの作品はどれも、自分たちを許して改善していこうといった内容だったかなと幼いながらに感じました。
大人になって、宮崎さんの人間性について知りたくなり、風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡を読んでみましたが、彼は苦しみながらも、人を愛することを選んだのだなあと感じさせる内容でした。
この本もまた、日本の教育の在り方や宗教観についてふれるとともに、彼が本当に人間が好きで人間に対して希望を持っているんだということを感じさせました。
その一方で、今のアニメに対してはかなり厳しいコメントを持っています。
「お人形ごっこ」とか、恋愛を軽く扱っていることについても釘を刺しています。
これから何か作品を作る人もより良い作品を作ってみたいという人なら、どれも共感できる内容ではないかと思います。
12年間に渡る作品の軌跡
(2008-09-23)
もののけ姫、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城、崖の上のポニョまでの12年間に渡る作品作りを企画書、エッセイ、インタビュー、対談、公演などを通してその背景を見ることができます。宮崎駿監督がどういう考えの持ち主かも感じることが出来て面白かったです。ジブリの作品が好きな人で宮崎駿監督がどういう人か知りたいなら読む価値はとても高いです。
おすすめ度:
不条理な資本主義文明への憤怒、そして、子供達への限りない希望
1997年から2008年までの文章を集めた本書出版は本意ではないと宮崎さんは仰りますが、各章間のダブリ等を差し引いても氏の思想等を深く知れる点でとても貴重な文献です。
私は本書から宮崎さんの「行き過ぎた資本主義社会への憤怒」と「子供達への限りない希望」を深く感じましたが、氏が何に影響を受けて育ったか、生きて(仕事して)きたか、またその思想等がどういったものなのか興味がある方は500ページ強の本書をぜひご一読下さい。
以下、私が印象に残った言葉
・絶望は生命の本質、残忍は生命の本性
・自分の中に人間を罰したいという気持ちがある
・子供の時代に得た何かには決定的な影響力があり、大人の1年間に匹敵するような5分間がある
・アシタカがサンに「生きろ」と言った時に「生きよう」と心に決めたという手紙を子供達からたくさんもらいました
・僕には小さい時から、生まれてきたのは間違いだったんじゃないかという疑念がありました
・子供たちを取り巻く価値観はどんどん数を減らしている。文部省だけじゃなく社会全体が「損得で計算しろ」という一つの価値観に絞り込んだからです
・空気まで取引するのは不遜ですよ。人間が生きて行く為の最も根本の所で「儲かる、儲からない」をやっていては未来はロクなことにならない。儲けだけではない、もっと大切な何かがあるはずです。そうでないと、アニメーションをつくる仕事などは成り立ちません
・(日本人は)誇りも歴史観もない、自分がアメリカという国からどういうふうに思われているかも知らない
・「魂にとって何が大切か」「魂とは何か」それが私達のいつまでも変わらない主題であり、課せられた問いだと思います
・子供たちには三歳まではテレビを見せるなと周りの人に言っている。自分で考える機会を確実に奪ってしまうから
・本当に異常なまでの早さで昭和の軍閥政治は、破局に向かって突き進んでいく。今も世界はそんなふうにたちまちの内に変わっていく可能性がある
・アニメーションの可能性って、商売とか商品化とか、そういうこととは無関係に”志”として存在していたんです
・子供が成長してどうなるかといえば、ただのつまらない大人になるだけです。だけど、子供はいつも希望です。挫折していく、希望の塊なんです
「もののけ姫」「千と千尋」まで
まず表紙の裏から「もののけ姫」「千と千尋」「ハウル」「ポニョ」が
同じボリュームで取り上げられているような印象を与えますが、前二作が
メインです。「ハウル」の章はあまり作品とは関係がない対談が多く、
「ポニョ」に関しては編集する対談や講演ネタを集める時間がなかったようで、
軽くなっています。
「もののけ姫」はテレビ時代劇で目にすることがない登場人物ばかり現れる。
時代を室町に設定した現代ファンタジーかと思いきや、「士農工商」やら
「百姓」の設定を誤解しているのは現代の日本人で、農民も武器を携帯していたし、
水呑み百姓の範疇は広い。もっと雑多な職業、歴史の記録にかすかに現れる
ような人々がじつは結構いた。
その人物たちが、互いが生きるための抗争をする。
歴史学者の専門知識や、考古学上の推測をまじえて語られています。
ストーリーは自然の凶暴さと、文明を推し進める人間の暴力が描かれる。
つづく作品「千と千尋」
ここでは「ここで働かせてください!」のセリフがとりあげられている。
10歳の少女の自立といえばパーソナルなレベルですが、
この時代に、この場所で、完全でない自分が生きるための力(知恵)を獲得していくのは、
「生きる」テーマであり両作品に共通する。
子供はちょっとケガをして当然だし、飛行機なんかオンボロであって上等とする考え方は、
どこかヒステリックな現代に、
監督の作品が受け入れられる理由のように思えます。
子供のために
小学生のころ、宮崎さんの「風の谷のナウシカ」をテレビで見て、心に強く感じるものがありました。何かわからないけれど、大事なことを教えてくれていると思いました。
アニメは当時好きでよく観ていましたが、宮崎さんの作品はいままで観た作品のどれとも質が違ったものでした。
それまで環境問題などのテーマに触れると、テレビやジャーナリストは人間が悪だ、と人を裁くことを押しつけてきましたが、宮崎さんの作品はどれも、自分たちを許して改善していこうといった内容だったかなと幼いながらに感じました。
大人になって、宮崎さんの人間性について知りたくなり、風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡を読んでみましたが、彼は苦しみながらも、人を愛することを選んだのだなあと感じさせる内容でした。
この本もまた、日本の教育の在り方や宗教観についてふれるとともに、彼が本当に人間が好きで人間に対して希望を持っているんだということを感じさせました。
その一方で、今のアニメに対してはかなり厳しいコメントを持っています。
「お人形ごっこ」とか、恋愛を軽く扱っていることについても釘を刺しています。
これから何か作品を作る人もより良い作品を作ってみたいという人なら、どれも共感できる内容ではないかと思います。
12年間に渡る作品の軌跡
もののけ姫、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城、崖の上のポニョまでの12年間に渡る作品作りを企画書、エッセイ、インタビュー、対談、公演などを通してその背景を見ることができます。宮崎駿監督がどういう考えの持ち主かも感じることが出来て面白かったです。ジブリの作品が好きな人で宮崎駿監督がどういう人か知りたいなら読む価値はとても高いです。


