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HOME > 本・書籍 > 聖書時代史 新約篇 (岩波現代文庫)
聖書時代史 新約篇 (岩波現代文庫) …1,500円以上で送料無料
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
初期キリスト教史に共生の可能性を探る
(2007-04-25)
本書は「旧約新約聖書時代史」(山我哲雄氏との共著、教文館、1992年、97年改訂)の「新約聖書時代史」部分を基礎に、全体を新編集したものである。あとがきによれば「おそらく元来の『旧約新約聖書時代史』と比べれば、約半分ほどが新しくなっているはず」(p.237)とのことである。
「「キリスト教」と呼ばれるに至った宗教が、その基盤のユダヤ教から自覚的に自らを切り離して独り立ちを始めたのは[…]実は紀元70年から1世紀の終わり頃である。それまでは、ユダヤ教の内部改革運動の一つであったと見なすのが事態に最も即している」という理解から「紀元70年以前のナザレのイエスに端を発する運動を「ユダヤ教イエス派」の運動と呼んで来た」著者は、本書においては「ローマ帝国とユダヤ教全般の状況に留意しつつ、まず「ユダヤ教イエス派」の姿を描き、さらにはこの運動が「キリスト教」として成立し、引き続きそれが独立した宗教としての自覚を深め、強固にしようとして格闘する時期までを略述する」とまえがきで述べている(p.v-vi)。
さらに、こうした視点から初期キリスト教の歴史を振り返ることの意義について著者は、「現在の「キリスト教」が、その観念システムも教会体制も含め、改めて自己を批判的に評価し、根源から自己変革すべき岐路に到達していることは間違いないと思われる。[…]多様な人間を生かしうる、これからの人類共生のための真の「キリスト教」はいかにして可能か、この遠大な、しかし差し迫った課題に取り組むためにも、「ユダヤ教イエス派」とそこから成長した「初期キリスト教」の姿を見定めることは、キリスト教にいか程にでもあれ関わる者にとっては、避けて通れない作業であろう」(p.235)と語る。日本を代表する新約学者の1人である著者の、この言葉に深く共感すると共に、多様な複眼的な歴史像を再構築することの重要性を今一度気付かされた。
必須の書
(2006-02-23)
新約聖書を学ぶ者は、最低限これらの背景をおさえておかないとダメという基準となる書。誤記、誤植が多いが、著者はそれを自らのホームページで公表している。著者はきわめて優秀な新約学の第一人者であり、また学者としての良心を持っていると拝見した。
基本から理解するために
(2005-07-08)
イスラム教との対立軸としてのキリスト教を基本的に理解できるように
なりたいという欲求から手に取った本である。
聖書の時代を鳥瞰の視点で見れて良かった。
(2005-06-15)
紀元前31年頃〜紀元後200年の時代のパレスチナの状況。イスラエル民族、ユダヤ教徒たちが置かれた現状、イエス信仰の勃興と原始キリスト教の発展ががわかり易く記されています。
ユダヤ教イエス派の運動から 「キリスト教」 成立までを扱う
(2003-12-28)
紀元前後にイエスが誕生し、パウロを筆頭とする使徒たちが布教活動を行ない、そして『新約聖書』が成立し、初期カトリシズムが確立する二世紀末までの歴史を扱う。著者はいわゆる「キリスト教」は様々な歴史的過程を経て(特にユダヤ教からの独立)成立したものだという立場から歴史を論ずる。イエスもパウロもユダヤ教内部の改革運動家であり、我々のいうところの「キリスト教」は全く知らなかったはずだとし、イエスと使徒の後継者たちが、ユダヤ教との決別、ギリシャ・ローマ・東方の諸思想からの影響、そして布教、迫害、内部抗争、グノーシス派との対立を経て「初期カトリシズム」として独自の宗教として成立する過程を資料を駆使し、丹念に追っている。新約外典、使徒教父文書、ナグ・ハマディ写本などにも触れている。またこの時代のローマやパレスティナに関する政治的事件も詳しいので、ローマ通史、パレスティナ通史としての価値もある一冊である。
おすすめ度:
初期キリスト教史に共生の可能性を探る
本書は「旧約新約聖書時代史」(山我哲雄氏との共著、教文館、1992年、97年改訂)の「新約聖書時代史」部分を基礎に、全体を新編集したものである。あとがきによれば「おそらく元来の『旧約新約聖書時代史』と比べれば、約半分ほどが新しくなっているはず」(p.237)とのことである。
「「キリスト教」と呼ばれるに至った宗教が、その基盤のユダヤ教から自覚的に自らを切り離して独り立ちを始めたのは[…]実は紀元70年から1世紀の終わり頃である。それまでは、ユダヤ教の内部改革運動の一つであったと見なすのが事態に最も即している」という理解から「紀元70年以前のナザレのイエスに端を発する運動を「ユダヤ教イエス派」の運動と呼んで来た」著者は、本書においては「ローマ帝国とユダヤ教全般の状況に留意しつつ、まず「ユダヤ教イエス派」の姿を描き、さらにはこの運動が「キリスト教」として成立し、引き続きそれが独立した宗教としての自覚を深め、強固にしようとして格闘する時期までを略述する」とまえがきで述べている(p.v-vi)。
さらに、こうした視点から初期キリスト教の歴史を振り返ることの意義について著者は、「現在の「キリスト教」が、その観念システムも教会体制も含め、改めて自己を批判的に評価し、根源から自己変革すべき岐路に到達していることは間違いないと思われる。[…]多様な人間を生かしうる、これからの人類共生のための真の「キリスト教」はいかにして可能か、この遠大な、しかし差し迫った課題に取り組むためにも、「ユダヤ教イエス派」とそこから成長した「初期キリスト教」の姿を見定めることは、キリスト教にいか程にでもあれ関わる者にとっては、避けて通れない作業であろう」(p.235)と語る。日本を代表する新約学者の1人である著者の、この言葉に深く共感すると共に、多様な複眼的な歴史像を再構築することの重要性を今一度気付かされた。
必須の書
新約聖書を学ぶ者は、最低限これらの背景をおさえておかないとダメという基準となる書。誤記、誤植が多いが、著者はそれを自らのホームページで公表している。著者はきわめて優秀な新約学の第一人者であり、また学者としての良心を持っていると拝見した。
基本から理解するために
イスラム教との対立軸としてのキリスト教を基本的に理解できるように
なりたいという欲求から手に取った本である。
学生時代ミッション系の学校にもおり、聖書にも親しんでいたにも
かかわらず、歴史的背景も踏まえて本質はまったく理解してなかった
ことを認識した。(もちろん現在も「本質」を正しく理解したわけでは
ない)キリスト教(に限らないだろうが)の秘蹟・奇跡などえてして
非科学的な逸話や歴史的理由で誇張された逸話などが理解の邪魔を
していたわけだが、そういった過剰な包装を取り去って科学的に
キリスト教を認識したいむきには好著であろう。旧約編とともに
薦めたい。
聖書の時代を鳥瞰の視点で見れて良かった。
紀元前31年頃〜紀元後200年の時代のパレスチナの状況。イスラエル民族、ユダヤ教徒たちが置かれた現状、イエス信仰の勃興と原始キリスト教の発展ががわかり易く記されています。
ユダヤ教イエス派の運動から 「キリスト教」 成立までを扱う
紀元前後にイエスが誕生し、パウロを筆頭とする使徒たちが布教活動を行ない、そして『新約聖書』が成立し、初期カトリシズムが確立する二世紀末までの歴史を扱う。著者はいわゆる「キリスト教」は様々な歴史的過程を経て(特にユダヤ教からの独立)成立したものだという立場から歴史を論ずる。イエスもパウロもユダヤ教内部の改革運動家であり、我々のいうところの「キリスト教」は全く知らなかったはずだとし、イエスと使徒の後継者たちが、ユダヤ教との決別、ギリシャ・ローマ・東方の諸思想からの影響、そして布教、迫害、内部抗争、グノーシス派との対立を経て「初期カトリシズム」として独自の宗教として成立する過程を資料を駆使し、丹念に追っている。新約外典、使徒教父文書、ナグ・ハマディ写本などにも触れている。またこの時代のローマやパレスティナに関する政治的事件も詳しいので、ローマ通史、パレスティナ通史としての価値もある一冊である。


