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HOME > 本・書籍 > ベトナム戦記 (朝日文庫)
ベトナム戦記 (朝日文庫) …1,500円以上で送料無料
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
40年以上経った今でも著者の鼓動と衝撃が伝わって来る従軍ルポ
(2009-01-04)
本作品は文句なしに面白い。40年以上経った現在でも、その場のにおい、作者の鼓動が伝わって来る直截的な力を持つ従軍ルポルタージュである。長いベトナム戦争の中でアメリカの本格的介入が始まった1965年当初をカバー、その当時世界のメディアを驚愕させた僧侶の焼身自殺、日常化したクーデター、前線なき戦争といわれた戦闘の様相を、独特のユーモアを交え、第一人称による写実で表現された作品である。ベトナム戦争の終末期をやはり見事な文才で記述した近藤紘一の「サイゴンのいちばん長い日」とともに、日本人作家によるベトナム戦争関連著作の代表作であろう。
本書を読むにつけ、紛争が多発するにもかかわらず殆どの報道が外電の翻訳でしかなくなった今日の報道現場で、本質的な取材能力や精神がどれだけ欠如しているか深く考えさせられてしまう。
ただベトナム戦争が歴史的過去となった現在、この戦争がどのようなものであったか、どのように展開したのかを改めて紐解こうとした時、極く限られた時期と局面を一人称で書かれたという上記の特徴が逆に限界となって現れてくることも感じざるを得ない。
その意味で、報道記録という枠に囚われることなく、本書の背景となった経験を小説として昇華させた「輝ける闇」にこそ作者のベトナム戦争が最も見事な形で語られているのではなかろうか。
この本はきつかった。
(2007-04-04)
まだ少年と言える時代に読んでしまった。戦争とはいったい何なのか?など考える余裕などなかった。
「ベトコン少年、暁に死す」の項を読まなければ良かったと後悔しつつ読み続けた。胃の辺りが石を飲んだように重くなって、目には涙が浮かんできたのを今でも覚えている。
開高健先生は、私にとって人生の師と勝手に決めているのですが、この本の内容は中学生の私にとっては厳しすぎたと思う。
今、子供にも開高先生の小説を読むように勧めているが、この本はもう少し後にしようと心に決めている。
戦争や人間の存在そのものの本質
(2007-01-23)
「ベトナム戦記」という本の存在だけは知っていたが、ようやく手にとって読んだ。
これは、開高健氏のベトナム従軍記です。いままで戦争に関する本はいくつか読んだが、「ナンバー・ワン」です。
ベトコン少年の公開処刑を書いた「ベトコン少年、暁に死す」の章から最前線に赴く後半の章は、臨場感があって、実際に開高氏と一緒にいるような妙な感覚になる。一流小説家である開高氏の文章の力だろう。
この本のなかで「ベトコン少年、暁に死す」の章は特に凄い。凄くて深い。「戦争」や「人間」の存在そのものの本質をわしづかみにするような迫力ある文章である。
たとえ、この章だけでも読む価値はある。
不謹慎だが、フライフィッシュングの延長として(肯定論)
(2006-07-23)
1954年生まれのレビュワーにとっては、「ベトナム戦争」として報じられる戦況の後半部分に意識があるが、前半は、正直言うと「なんでアメリカがあんなところで戦争してるの?」という感じであった。
世の中には、アメリカに留学した小田実さんらの「ベ平連」が盛んにデモをしているのが思い出される。
この時点で、私の知る開高健さんは、山口瞳さんの先輩で、魚釣りの好きな人、お酒を飲む大食漢でしかなかった。この人が何ゆえにベトナムまで行くのかは、中学生の小生には理解不能であった。
高校になって読み、大学になって読み、社会人になって読んだ時にベトナム戦争の帰趨とか、その後のカンボジアの情勢や更には共産国家の終焉などの様々な別の情報が入っていて、彼の文章は素直に受け入れられなかった。
しかし・・・・ここから怒られるかもしれないけれど、ひょっとして、開高健さんは、「文豪」とか「社会評論」とかのややこしいことではなく、『ライズ』のくりかえされる浅瀬にフライを飛ばすフライフィッシングの場所としてとらえたのではないかと思えてきた。命がけのフライの操作ではあったが。
そう考えると妙に分かりやすいのですが、いかがでしょう?
開高大魔王の戦場の観察ぶりを見よ
(2004-06-25)
開高大魔王の1960年代のベトナム戦争の記録だが、今読んでも、まったく古びていない。アメリカ=悪、解放戦線=正義、とのステレオ・タイプの当時の「定説」にも組みしていない。声高に「スローガン」を叫ぶむなしさを知った開高大魔王と凡百の作家、たとえば小田実などとの違いがそこにある。現場では「戦場」を語っても「戦争」は語れない、と、諦観した大魔王の戦場の観察ぶりを見よ。ベトナム戦争の最上の記録の一つでもある。もちろん独特の大魔王の文体「開高節」の完成度は他のエッセイ、小説と変わらない。(松本敏之)
おすすめ度:
40年以上経った今でも著者の鼓動と衝撃が伝わって来る従軍ルポ
本作品は文句なしに面白い。40年以上経った現在でも、その場のにおい、作者の鼓動が伝わって来る直截的な力を持つ従軍ルポルタージュである。長いベトナム戦争の中でアメリカの本格的介入が始まった1965年当初をカバー、その当時世界のメディアを驚愕させた僧侶の焼身自殺、日常化したクーデター、前線なき戦争といわれた戦闘の様相を、独特のユーモアを交え、第一人称による写実で表現された作品である。ベトナム戦争の終末期をやはり見事な文才で記述した近藤紘一の「サイゴンのいちばん長い日」とともに、日本人作家によるベトナム戦争関連著作の代表作であろう。
本書を読むにつけ、紛争が多発するにもかかわらず殆どの報道が外電の翻訳でしかなくなった今日の報道現場で、本質的な取材能力や精神がどれだけ欠如しているか深く考えさせられてしまう。
ただベトナム戦争が歴史的過去となった現在、この戦争がどのようなものであったか、どのように展開したのかを改めて紐解こうとした時、極く限られた時期と局面を一人称で書かれたという上記の特徴が逆に限界となって現れてくることも感じざるを得ない。
その意味で、報道記録という枠に囚われることなく、本書の背景となった経験を小説として昇華させた「輝ける闇」にこそ作者のベトナム戦争が最も見事な形で語られているのではなかろうか。
この本はきつかった。
まだ少年と言える時代に読んでしまった。戦争とはいったい何なのか?など考える余裕などなかった。
「ベトコン少年、暁に死す」の項を読まなければ良かったと後悔しつつ読み続けた。胃の辺りが石を飲んだように重くなって、目には涙が浮かんできたのを今でも覚えている。
開高健先生は、私にとって人生の師と勝手に決めているのですが、この本の内容は中学生の私にとっては厳しすぎたと思う。
今、子供にも開高先生の小説を読むように勧めているが、この本はもう少し後にしようと心に決めている。
戦争や人間の存在そのものの本質
「ベトナム戦記」という本の存在だけは知っていたが、ようやく手にとって読んだ。
これは、開高健氏のベトナム従軍記です。いままで戦争に関する本はいくつか読んだが、「ナンバー・ワン」です。
ベトコン少年の公開処刑を書いた「ベトコン少年、暁に死す」の章から最前線に赴く後半の章は、臨場感があって、実際に開高氏と一緒にいるような妙な感覚になる。一流小説家である開高氏の文章の力だろう。
この本のなかで「ベトコン少年、暁に死す」の章は特に凄い。凄くて深い。「戦争」や「人間」の存在そのものの本質をわしづかみにするような迫力ある文章である。
たとえ、この章だけでも読む価値はある。
不謹慎だが、フライフィッシュングの延長として(肯定論)
1954年生まれのレビュワーにとっては、「ベトナム戦争」として報じられる戦況の後半部分に意識があるが、前半は、正直言うと「なんでアメリカがあんなところで戦争してるの?」という感じであった。
世の中には、アメリカに留学した小田実さんらの「ベ平連」が盛んにデモをしているのが思い出される。
この時点で、私の知る開高健さんは、山口瞳さんの先輩で、魚釣りの好きな人、お酒を飲む大食漢でしかなかった。この人が何ゆえにベトナムまで行くのかは、中学生の小生には理解不能であった。
高校になって読み、大学になって読み、社会人になって読んだ時にベトナム戦争の帰趨とか、その後のカンボジアの情勢や更には共産国家の終焉などの様々な別の情報が入っていて、彼の文章は素直に受け入れられなかった。
しかし・・・・ここから怒られるかもしれないけれど、ひょっとして、開高健さんは、「文豪」とか「社会評論」とかのややこしいことではなく、『ライズ』のくりかえされる浅瀬にフライを飛ばすフライフィッシングの場所としてとらえたのではないかと思えてきた。命がけのフライの操作ではあったが。
そう考えると妙に分かりやすいのですが、いかがでしょう?
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