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HOME > 本・書籍 > モーセと一神教 (ちくま学芸文庫)
モーセと一神教 (ちくま学芸文庫) …1,500円以上で送料無料
モーセと一神教 (ちくま学芸文庫)
Sigmund Freud(原著)
渡辺 哲夫(翻訳)
筑摩書房
グループ:Book /ランキング:1730
価格:¥ 1,260
発売日:2003-09 /通常24時間以内に発送
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渡辺 哲夫(翻訳)
筑摩書房
価格:¥ 1,260
発売日:2003-09 /通常24時間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
読み応えがあった
(2008-03-26)
フロイトの遺書とも言っても過言では無いような、亡くなる直前に書かれた論文が収められた本です。
精神分析的な視点から、宗教や歴史について言明されています。
苦しい感じが文面から伝わってきて、彼はこれを書くときにかなりの葛藤があったんじゃないかなって思うし、アグレッシブな印象も受けました。
それから、ユダヤ人にとっては「父」とも呼べるような人物を分析し、この宗教性を批判しているので、彼は最後までエディプス葛藤から逃れられなかったのかもなぁ?と感じました。
勉強不足のわたしにはあまり消化できていませんが、とっても読み応えがありました。
これからも何回か繰り返して読んでみたい本です。
心的外傷モデルによる「抑圧されたものの回帰」
(2008-03-22)
この書における最晩年のフロイトはモーセに自己を重ねており、唯一神がユダヤ民族にとっての超自我として制作(自然発生説ではない)されるプロセスを丹念に措定している。
重要なのは、フロイトの「抑圧されたものの回帰」が心的外傷及びその遅延した露呈としての神経症をモデルとしていることだ。
汎性欲説(幼児研究においては有効だったが)ではなく、それまで否定してきたピエール・ジャネの理論を採用しているのだ。追憶と忘却のなかで隠蔽されているのはフロイト自身の変節である。
なお、解説はフロイト自身によるエスに関する1923年と1933年の図を両方収めていて参考になる。
歴史書ではなく臨床の本として
(2007-06-19)
1939年に発表されたフロイトの宗教論・文化論についての論文である。精
神分析は神経症の治療技法として創出されたが、人間理解の方法として宗教
や文化の解釈と再構成にも利用されることがある。本論文はその一つである。
本書は精神分析的な視点からユダヤ教の成立史やモーセの出エジプトにつ
いて論じている。着想は独特であるが、現代的な歴史学や宗教学からは「事
実に即していない」ということであまり取り上げられることは少ないようで
ある。僕も詳しくないが、多分フロイトの言っていることは「歴史的事実」
としては間違っているのだろうとは思う。
しかし、本書を単なる歴史書や宗教書として見ると、その価値はあまりな
いように思うが、視点を変えて臨床のモチーフやメタファーとしてみるとま
た違った色合いが見えてくるように思う。
例えば、「モーセ、ひとりのエジプト人」や「もしもモーセがひとりのエ
ジプト人であったとするならば・・・」などの章では、モーセの名の由来や
出生についての探索が行われている。これは臨床の中で言えば、治療者が患
者の生育歴や早期外傷体験の探索・想起などを行っているところが目に浮か
んでくる。患者の語られる材料をもとに、自由連想を駆使し、一つ一つ確か
めていく。これはきわめて臨床的なことである。
また、モーセという人物を実在のものとせず、心的内容物のある象徴とし
て見て、ユダヤ教をスクリーンとして、そこに一人の人間の無意識や乳幼児
体験を写しだすことができているように思える。宗教における戒律や取り決
めは個人の超自我に当たるだろ。
すなわち、フロイトはモーセやユダヤ教の分析を行っているように見えて
、それはメタファーとしてフロイトの臨床や分析技法を書き記していると理
解することができる。本書を歴史書として見るか、臨床を記述している書と
して見るかで、かなり大きく異なってくるだろうと思われる。
フロイドの警告
(2007-03-22)
ユダヤ人がモーセに対し、多神教が一神教に対し、キリスト教がユダヤ教に対してやったことは父親殺しであり、しかもそのトラウマは結局子達に降りかかったとするならば、ドイツ人がユダヤ人にやった憎悪や虐殺は必ずゲルマン民族自身に帰ってくる。という警告をフロイドは発したかったのだろう。訳も平易だし、精神分析にアレルギー反応を抱く人もこれなら読めるかもしれない。フェミニストの方も異議を唱える前に「父親」と「男」、「母親」と「女」は違うカテゴリーだということで大目で見たらいかがだろうか?
海を割った男
(2006-08-25)
ユダヤ人であるフロイトが自身の宗教であるユダヤ教を、心理学者として、また歴史を客観的にみるもの(学者)として分析的に考察した。
内容は読んでいただきたいですが、一般的なユダヤ教徒からは猛烈な反発をうけそうな考察結果になっています。
学者としての考えを自身の宗教心より優先させた、勇気のある論文で、その勇気に感銘をうけました。日本人に例えると、皇族に大陸(韓国)の血が混じっている、ときくと過剰に反応する人がいますよね。
(このことの事実関係はだれにもわかりませんが)その、時には暴力的になりかねない世間の反応をおそれず、発表をおこなった、といったような論説です。エディプスコンプレックス等の当時は言っちゃいけないような考えを完成させたフロイトだからこそ、できた考えと思えばすこし納得します。
おすすめ度:
読み応えがあった
フロイトの遺書とも言っても過言では無いような、亡くなる直前に書かれた論文が収められた本です。
精神分析的な視点から、宗教や歴史について言明されています。
苦しい感じが文面から伝わってきて、彼はこれを書くときにかなりの葛藤があったんじゃないかなって思うし、アグレッシブな印象も受けました。
それから、ユダヤ人にとっては「父」とも呼べるような人物を分析し、この宗教性を批判しているので、彼は最後までエディプス葛藤から逃れられなかったのかもなぁ?と感じました。
勉強不足のわたしにはあまり消化できていませんが、とっても読み応えがありました。
これからも何回か繰り返して読んでみたい本です。
心的外傷モデルによる「抑圧されたものの回帰」
この書における最晩年のフロイトはモーセに自己を重ねており、唯一神がユダヤ民族にとっての超自我として制作(自然発生説ではない)されるプロセスを丹念に措定している。
重要なのは、フロイトの「抑圧されたものの回帰」が心的外傷及びその遅延した露呈としての神経症をモデルとしていることだ。
汎性欲説(幼児研究においては有効だったが)ではなく、それまで否定してきたピエール・ジャネの理論を採用しているのだ。追憶と忘却のなかで隠蔽されているのはフロイト自身の変節である。
なお、解説はフロイト自身によるエスに関する1923年と1933年の図を両方収めていて参考になる。
歴史書ではなく臨床の本として
1939年に発表されたフロイトの宗教論・文化論についての論文である。精
神分析は神経症の治療技法として創出されたが、人間理解の方法として宗教
や文化の解釈と再構成にも利用されることがある。本論文はその一つである。
本書は精神分析的な視点からユダヤ教の成立史やモーセの出エジプトにつ
いて論じている。着想は独特であるが、現代的な歴史学や宗教学からは「事
実に即していない」ということであまり取り上げられることは少ないようで
ある。僕も詳しくないが、多分フロイトの言っていることは「歴史的事実」
としては間違っているのだろうとは思う。
しかし、本書を単なる歴史書や宗教書として見ると、その価値はあまりな
いように思うが、視点を変えて臨床のモチーフやメタファーとしてみるとま
た違った色合いが見えてくるように思う。
例えば、「モーセ、ひとりのエジプト人」や「もしもモーセがひとりのエ
ジプト人であったとするならば・・・」などの章では、モーセの名の由来や
出生についての探索が行われている。これは臨床の中で言えば、治療者が患
者の生育歴や早期外傷体験の探索・想起などを行っているところが目に浮か
んでくる。患者の語られる材料をもとに、自由連想を駆使し、一つ一つ確か
めていく。これはきわめて臨床的なことである。
また、モーセという人物を実在のものとせず、心的内容物のある象徴とし
て見て、ユダヤ教をスクリーンとして、そこに一人の人間の無意識や乳幼児
体験を写しだすことができているように思える。宗教における戒律や取り決
めは個人の超自我に当たるだろ。
すなわち、フロイトはモーセやユダヤ教の分析を行っているように見えて
、それはメタファーとしてフロイトの臨床や分析技法を書き記していると理
解することができる。本書を歴史書として見るか、臨床を記述している書と
して見るかで、かなり大きく異なってくるだろうと思われる。
フロイドの警告
ユダヤ人がモーセに対し、多神教が一神教に対し、キリスト教がユダヤ教に対してやったことは父親殺しであり、しかもそのトラウマは結局子達に降りかかったとするならば、ドイツ人がユダヤ人にやった憎悪や虐殺は必ずゲルマン民族自身に帰ってくる。という警告をフロイドは発したかったのだろう。訳も平易だし、精神分析にアレルギー反応を抱く人もこれなら読めるかもしれない。フェミニストの方も異議を唱える前に「父親」と「男」、「母親」と「女」は違うカテゴリーだということで大目で見たらいかがだろうか?
海を割った男
ユダヤ人であるフロイトが自身の宗教であるユダヤ教を、心理学者として、また歴史を客観的にみるもの(学者)として分析的に考察した。
内容は読んでいただきたいですが、一般的なユダヤ教徒からは猛烈な反発をうけそうな考察結果になっています。
学者としての考えを自身の宗教心より優先させた、勇気のある論文で、その勇気に感銘をうけました。日本人に例えると、皇族に大陸(韓国)の血が混じっている、ときくと過剰に反応する人がいますよね。
(このことの事実関係はだれにもわかりませんが)その、時には暴力的になりかねない世間の反応をおそれず、発表をおこなった、といったような論説です。エディプスコンプレックス等の当時は言っちゃいけないような考えを完成させたフロイトだからこそ、できた考えと思えばすこし納得します。


